17Feb
企業内のプロマネの悩みで私がよく耳にするのは、
「製品開発や内部システム開発で部門間の温度差があり、なかなか思うように意識統一ができないし、プロマネの自分がその調整役となりボトルネックになっている」
といったものです。
当然、この悩み以外にも多くの悩みがあると思いますが、代表的なこの例を取り上げます。
まず、プロマネとしてどれだけプロジェクトにコミットメントしていますか?
コミットメントケース1:
会社がこの製品あるいはシステムを作り上げることで、どれだけの成果があるかを理解し、また自分でも必要だと認識しており、成功させることが自分の使命である
コミットメントケース2:
過去の経験や実績を買われてプロマネに任命されたが、成功させることは自分の評価を下げないため、あるいは昇格の必須条件であり、自分の仕事でもあるので頑張る。
どちらが力強いコミットメントかといえば、当然ケース1ですよね。
でも部門間の意識統一ができないと悩んでいるプロマネは、ケース2が多い気がします。
ここで何を言いたいかというと、
「プロマネの思いの強さは周囲に伝わる」
ということです。
プロマネに限らず、思いが強ければ強いほど、相手へ与えるインパクトは大きくなる経験は、誰でもあるのではないでしょうか。自分が与えたケースだけではなく、相手から与えられたケースも含めてです。
力強いコミットメントをするためには、プロジェクト・オーナー(発起人)にこのプロジェクトへの思いをとことん話してもらい、自分で思うこともぶつけて、心の底からやるぞという気持ちを起こさせることが必要です。
もし、プロジェクト・オーナーが高圧的に「つべこべ言わず、上からの命令だからやれ」という態度で迫られたとしたら、企業のためにも自分のためにも断ったほうがよいですね。
(絶対失敗しますから・・・)
力強いコミットメントを得られたら、プロジェクトのキックオフミーティングでその思いをぶつけてみましょう。
プロジェクト・オーナーの強い思いに加え、プロマネとしてのあなたの思いを伝えましょう。
ここで重要なのが伝える相手にコミットメントを持たせることです。
キックオフミーティングは、ステークホルダー全員の意思統一を図る重要な場で、プロジェクトの成功を左右すると私は思っています。
しかし、結構これが定常的な会議になっていたりして、ステークホルダーの顔合わせの場程度しか機能していないことがあります。
この状態を避けるため、PMBOK®で言われているステークホルダーのプロジェクトでの役割や要求、影響、姿勢など分析した、ステークホルダー登録簿を作成しておき、各ステークホルダーのプロジェクト関与レベルをどこまで求めるか(ステークホルダー・マネジメント計画)を明らかにしておきます。
キックオフミーティングでは、思いを聞いてもらった後、ステークホルダーにどのような関わり方をしていただくのか、決意表明してもらいましょう。
決意表明が弱い(計画した関与レベルとかけ離れている)と感じれば、後日そのステークホルダーにさらなる思いをぶつけてみましょう。他の人に手伝ってもらってもいいです。
強い思いは、必ず相手に伝わります。さらにそれが自分の内面からにじみ出てくるものであればなおさらです。
これが、ステークホルダーを巻き込む重要な要素だと私は思います。
2回にわたってITベンダーのプロマネ、企業内のプロマネ、それぞれの立場でのステークホルダーを巻き込むことを考えてみました。
ITベンダーのプロマネでは、顧客と深い信頼関係を結び、傍らについて応援するかを考えました。
企業内のプロマネでは、プロマネ自身のあり方・強い思いから相手を巻き込むことを考えました。
とはいえども、この二つは立場上で使い分ける必要はありませんし、これ以外にも巻き込むもっと良い方法があると思います。
中には、プロマネのあなた自身がここまでの行動を起こすことが難しいと感じている人もいるでしょう。
そのような方は、是非私と対話させてください。お互い何か得るものがあると思います。
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。